哲学者パスカル「人間は考える葦である」。人間は孤独で弱いが、考えることができることが偉大だ

2020年は、新型コロナウイルスによって「人間とは」「家族とは」「仕事とは」など、色々考えさせられるきっかけになったと思います。

ここ最近、よく耳にするのが、買い占めなどによる人間の愚かさ、「感染したくない」という恐怖、「自分は大丈夫であろう」と思う過信など。

どれも本質なんでしょうし、人間である以上、「生きたい」という本能があるゆえ、防衛本能として仕方ない部分はあると思います。

(行為を肯定しているわけではありませんが)。

そのなかで、地球や自然破壊がますます進行している現実があり、「人間が減らされているのではないか」という考えをする方も多いようです。

私達はどう受け止めればいいのでしょうか。


「人間は考える葦である」

「人間はひとくきの葦にすぎない。自然の中でも最も弱いものである。だがそれは考える葦である」

これは、哲学者ブレース・パスカルの言葉です。

「宇宙からしたら、地球も人間も無力ではあるが、無力を自覚していることが尊い」ということも、書いています。

これらの言葉にあるように、自然や宇宙よりも人間は弱いけれど、それを知っていることが人間は理解ができて、その中で「考える」ということができる唯一の生物なのです。

卑下することもなく、過信をするわけではなく

人間は神ではないけど、何かしらの使命を与えられて生まれてきたのだから、生きるために考えよう、ということなのではないでしょうか。

現代は、地球環境の汚染や破壊がとても問題になっています。

自然環境を無視した開発が行われたり、汚染を招く石油や石炭などたくさんの資源も使用するようになりました。

生態系は崩れ、地球温暖化により北極の氷が解け海面は上昇。気候変動により様々な天災も起き始めています。あと10年もすれば、氷が消滅するのではないかとまで言われています。

今まで人間がしてきたことは、明らかに自然を破壊し、よって自分達の生活に返ってきているのは言うまでもありません。

この課題に対しては一人ひとりが問題に対して自分事として取り組み、少しでも地球に対して役に立つことをしていく、貢献していくという意識は持っていった方が良い、ということは明瞭です。

ですが、ここまで文明が発達した以上、ある程度共存していくことも必要です。

「生きたい」。

動物である以上そう思うこと自体は、愚かではないことだと、思います。

自分達がしてきたことで、この地球や生命体が危うくなった時、

「ああ、人間は愚かだ」とか「いない方が自然にとってはいいんじゃないか」と考えることよりも、

「人間は自然よりも無力であることは承知している。でも、人間はそれをわかっている。そういった意味で偉大であり、だからもっと考えることはできる」

ということなのだと思います。

後ろを振り返るのではなく、何ができるかすぐに考えること。

これが今生きているすべての人に与えられた使命なのではないでしょうか。


人間はなぜ知恵を授かったのか

かの有名な『2001年宇宙の旅』の冒頭に出てくる黒石板モノリス。

猿たちが不気味な黒石板モノリスに触れたことで、彼らは道具の使い方を覚え、〝ヒト〟へと進化しました。

つまり、知恵を授かった瞬間を描いています。


また、『旧約聖書』に出てくる、アダムとイブの話も似たようなことを描いています。

アダムとイブは、禁断の果実を食べた瞬間に、善悪を知ることになります。

そして彼らは、〝人類の祖〟となるのです。


このような話が多く存在することをふまえると、

人間の使命は、〝知恵を使うこと〟にあるのでは?とさえ思います。

宇宙、地球、生命、人間のことを考えてしまう昨今ですが、

人間は考えることができる生き物。


これは誇りに思って、前向きに希望を持ちながら今を生きて、

進んでいくことが大切なのではないでしょうか。

科学が急激に発達したのはここ500年です。


人間の持つ、エネルギーや見えないものに目を向けて、

乗り切っていきましょう。


これから先、より良い未来がみなさんに待っていますように。

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