『あるミニマリストの物語』を読んで、改めて「ミニマリズム」について考えてみた


「ミニマリスト」とは…。

説明不要かと思いますが、「持ち物をできるだけ減らし、必要最小限の物だけで暮らす人」のこと。

2010年前後から海外で使われるようになり、日本でも実践する人は徐々に増え、今では書籍を出したり、YouTubeなどSNSで発信する人もたくさんいますよね。

先日、『あるミニマリストの物語〜僕が余計なものを捨て人生を取り戻すまで』(ジョシュア・フィールズ・ミルバーン+ライアン・ニコデマス著)を読みました。


あるミニマリストの物語―僕が余分なものを捨て人生を取り戻すまで-


巷のミニマリスト本と異なるのは、「●●術」などといったテクニックではなく、まるでフィクションのようなドキュメンタリー小説になっていて、仕事(とある一流企業)で成功を収めていた著者が、ミニマリストになると同時に、自分の好きなもの=パッションを見つけていく物語。

この本を読んでいると、ミニマリストになることとは、精神の修行といっても過言ではないように感じます。

物を片付けると確かにスッキリしますし、心も晴れやかになります。

イライラしたり、なんだか心がモヤモヤするなどネガティブな気持ちを抱えている時は、掃除をしたり整理整頓すると、さっきまでのネガティブモードが噓のようになくなることって、ありますよね。そんな経験は、みなさんもあるのではないでしょうか。

でも、結局また物を買ったり、いつしか同じ状態に戻る…。

そんな人も、ほとんどかと思います。

私もそうです。

「ミニマリストになろう」と心に決めた時、

つい物質に目がいきがちですが、

大切なのは、その奥にある精神。

意識を変える鍛錬をして、自分の心を豊かにすることが目的なはず。

女性は特に、自分が好きなものに囲まれていることで胸がときめき、ホルモンバランスが整います。

ただ減らすことに躍起になってしまっては本末転倒。

「自分は何が好きで、どんなものとともに生活すれば心豊かになれるのか」。

それを知るためのミニマリズムなのです。

では、そのために何をすればいいのか?

ここからは独自のメソッドですが、いろんな本を読んだり実践した結果をお伝えします。


1.自分が好きと思うものを書き出してみる

「自分が好きなものってなんだろう」。

世の中には次々と新しい情報が流れ、素敵なものは溢れています。

Instagramなどを見ていると、「こんな人素敵だな」「こんな生活がしたいな」「これ可愛い、欲しい」と、次々と興味があるものが目の前に現れます。

結局自分自身が本当に欲しているものはなんなのか、見失ってしまうことも多いでしょう。

頭で考えず、胸に手をあて、「心がときめく」ものを考えてみましょう。

今では世界中で大人気の近藤麻理恵(こんまり)さん流、片付け法にもありますね。

書き出してみるだけで、本当に好きなものが見えてくるはずです。

何かを買う時、値段ではなく「これは自分の心や生活を豊かにしてくれるものか」の価値基準となります。

2.現金主義にしてみる

近くのお店で買えない、欲しいものがONLINE上でしか買えない、などといった理由で仕方ないこともあるとは思いますが、なるべく現金主義にすること。

クレジットカードは、ポイントも貯まるしメリットはたくさんあります。これから先、どんどんキャッシュレスの時代になるとは思います。

でも、「現金を使って目の前で買う」という行為は、やはりしっかりと物と向き合っている感じがするのです。これは、お金が貯まる法則にも当てはまります。

お金を出す時、「お金が出てってしまう!」とネガティブな感情が出てしまうと、

不思議なほどお金はどんどん外に出てってしまうそうなのです。

例えば気に入ったスカートを買うとしましょう。そんな時、

「このお金でこんな素敵なスカートが手に入る。ありがたい」と感謝の気持ちを伝える。そんな気持ちで物を得ることで、その物に対しても愛着心が生まれますし、お金に対してネガティブな気持ちがなくなります。

もったいない精神も大切ですが、せっかく買うなら気持ちよく買う。

それが心も生活も豊かになるコツです。

3.今まで自分が何に一番投資をしてきたか考えてみる。そしてそれが本当に必要か再考する

人によって、お金をかけてきたものって違いますよね。

私の場合、本や心と身体がメンテナンスできるサロン(フラワーエッセンスカウンセリングや、少しスピ系のサロン)、健康や美容グッズ。

こいやって考えてみると、どうにか自分を良くしたいと思っているのが手に取るようにわかるのですが…(どんだけ自分好き)。

考え方として、

①それだけ投資してきたのだから好きなのだろう。だからこれだけにはお金をかけたい

②なんとなくお金を使っているけど、果たしてお金をかけるだけの結果が出ているのだろうか?

この2つに分かれるのではないでしょうか。

私は、正直なところ後者、②の方でした。

本を読むこと自体は好きなので、買うことをやめようとは思ってはいませんが、必要以上に買ってしまっていた気はしています。

職業柄、「本は投資すべきだ」と自分に言い聞かせて、無駄なものを買っていることは否めません。毎日本屋に行くほど本は好きです。本に囲まれている幸せは感じるのですが、「ああ、これは買わなくてもよかったな」と思ったものもたくさんあります。それをわかっているので、「これを買ったところですぐ売りそうだな」というのも、実のところわかっているのです。投資してきたからこそ、自分の癖って自分でわかっていると思います。なので、今までの経験上どうたっただろうか、ということを思い出してから買うようになりました。

私の場合、料理本や健康本です。大体実践するのは直後ぐらいで…。

ビジネス書や小説はあまり後悔しません。(小説はたまに、面白くなくて後悔することもありますが、それくらいはご愛嬌)。

健康系のものや、マッサージやカウンセリングなども、いいと聞いたら手を出して、その時は良くなるのですが結局続かず、元通りに。それであればヨガなどに、定期的に通った方がよっぽど心身が丈夫になる気がしています。自分へのご褒美として行くならば、一つのところに決めて、月イチ通う程度に。そして、あとは日常の中で、基礎的なことをきちんとやる。それが大事だと思うのです。

今は、美味しいものを美味しく食べて、一日数分でも筋トレとヨガをする。それだけに徹しています。

なぜかいろんなところに行ったり買ったりしながらお金をかけていた頃よりも、よっぽど元気です。

もし、投資していたことで何か得ていると実感したならば、そこにはちゃんとお金をかけてよいので、他のものを増やさないなど、ぜひ整理してみてください。

4.SNSをやめてみる

SNSが当たり前の現代ではハードルが高いかもしれません。

全くゼロにする必要はないと思うのですが…。

一日に●分、などと制限したとて、案外できない気がしています。

なぜなら私はできませんでした。意志が弱いのでしょうか……。

うっかり触ってしまう癖がついているので、何気なくインスタなどを見てしまっていたのです。

なんとなく流し見しているだけのつもりですが、頭は情報をたくさん得ているので脳も疲れますし、これは気のせいかもしれませんが、人の念も受けている気がしてしまいます。

そして、そこで目についた人がおすすめしていた物など、つい検索してしまい、さらにはそのままポチッと買いしてしまうこともしばしばありました。

そこで思い切って、InstagramとFacebookのアプリをスマホの画面から削除してみました。

もし必要になったらダウンロードして、ログインすればいいだけのこと。

削除して1カ月以上たちましたが、全く問題ありません。

すべて〝自分軸〟で考えられるようになったし、とてもスッキリしました。無駄な買い物もわずかながら減ったと思います。

人が使っているものって欲しくなるものなんですよね。

本当に自分にとっていいものか、見極められるならいいのですが、私の場合は流されやすい部分もあるので、見なくなってからのほうが、必要な情報だけが入ってきているように思います。例えば人と話す中で、「こういうのがあるよ〜」と勧められたりとか。そういった情報だけで、案外充分なのです。

ただ、今のニュースなどを最新で見たいので、twitterだけは残してあります。

期間限定でもいいので、一度SNS離れをすることをおすすめします。

5.小さな習慣をつくる。そして結果を求めない

これはもう、いろんなところで言われていますよね。

こんな本も出ています。

https://www.amazon.co.jp/小さな習慣-スティーヴン・ガイズ-ebook/dp/B072B8S2YN

かくいう私も三日坊主になることがほとんどで、「一週間は続けてみよう」と思っても全然続いたことがありませんでした。

でも、結果を求めず、とにかく一分でも一回でもやると、決めることにしただけで、だいぶ続けられるようになりました。

特に運動は何かしらすると良いと思います。一日30分運動するだけでも、幸せホルモンが出ると言われています。

私はここ2カ月ほど、一日一回、必ず筋トレをしています。30分はキツいので、15分程度です。少し続けただけで身体が動かしやすくなったり、集中力がUPしました。ですが、今のところ正直体重は減ってないし、誰にも「痩せた?」とも言われません…。それは残念なことですが、いいんです。(いずれ結果になったらもちろんベスト)。なぜなら、結果を求めた瞬間、すぐに結果が出なかった時にストレスになり、むしろ嫌になってしまいます。

とにかく一度続けて、習慣化された時に、そこから目標をアップデートしていくと良いでしょう。

良い習慣がつくことで、

・ 自信がつき、前向きになる

・ 一日の満足度が高まる

・ 自分がどうなりたいのか、目的がはっきりする

そう、習慣にしたい=そこの裏にはどうなりたいか…が詰まっているのです。

・筋トレ

→元気になる、集中力がつく、美ボディに近づく

・毎日コーヒーを淹れる

→朝の目覚めがよくなる、淹れている自分が客観的に見て素敵、コーヒーの香りに癒される

など。

自分が満たされる習慣がつくことで、物欲は減ります。

何も片付けを習慣化しよう、なんて考えなくても良いと思うんです。

「自分が気持ちよくなることを優先する習慣」がつけば良い。

そうすることで、自然と片付けも義務ではなく楽しめると思います。

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以上が、私なりに辿り着いたミニマリストになる手前で大切なこと、です。

逆に物質的なことを変えることで、気づくこともあるかもしれません。

ですが、ただ物を減らしたりするだけではなく、「何が自分にとって大切なのか」を考えることが大切だと思います。

そうでないと、なんだか味気ない生活になる場合もあります。

何かに取り憑かれたように物を減らすのではなく、

上手に物と付き合い、自分の心が豊かになるようなライフスタイルが、健全な自分でいられる方法なのだと思っています。

いきなり、本やYouTubeに出ているような本格的なミニマリストを目指すのではなく、自分が幸せと感じ、サステナブルに生きられるやり方をぜひ探ってみてください。


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